36坪のクリーンルームの導入

2020.08.21

8/9は福岡県久留米市にある食品工場にクリーンルーム設置の為、お伺いさせていただきました。

半年ほど前から入念な打ち合わせをさせていただき、設計からさせていただきました。

これより約一週間、設置工事をさせていただく形になります。

 

 

クリーンルームとは?

 

少し専門的な内容になりますが、簡単に言うと「空気中の微粒子・微生物が一定のレベル以下になるように、また湿度や湿度などといった環境条件についても管理をされ、要求される清浄度が保たれた空間」のことを指します。

 

調理食品を扱う食品工場では万が一、異物が混入してしまった場合、会社の信用を大きく損なうことに繋がってしまいます。

製品の回収等、甚大な被害につながる事故を避けるため、そして何より食品の衛生面を保つため、クリーンルームは多くの企業で導入されているのです。

 

 

クリーンルーム導入は事業拡大によるものももちろんですが、2018年6月の改正衛生法に基づき、検討される声が増えてきました。

 

こちらは2020年の6月より食品衛生管理の世界基準HACCPによる衛生管理を義務化させるというもの(執行猶予は1年間、2021年6月まで)。

食品関連の事業に従事する方の多くが耳にされたことのある制度かと思います。

 

 

HACCPは簡単に説明すると食品を脅かすハザード混入のリスクを作業工程の整理により発見し、それを作業過程において取り除くことで衛生状態を保つための管理手法です。

 

詳細は多岐にわたりますが、食品関連事業者は上記の義務化開始までに7原則12手順というガイドライン基づき、仕入れから提供までの工程を監視・管理することが必要となります。

 

工程ごとに発生しうる、食品衛生に悪影響(ハザード)を分析、その改善のための手段として着目されるものの一つがクリーンルームの導入です。

 

クリーンルームの設置も当社では自社のみで一括対応をさせていただいております。

それぞれのご事情にあわせて経験豊富なスタッフが丁寧にご対応させていただきますので、ご要望がございましたら、工事のご相談よりご気軽にご連絡ください。

 

工事の様子

工事初日、本日はクリーンルームを設置するラインの構築とベースとなる幅木の設置を予定です。

 

まずはクリーンルーム外壁となるパネルなど、工事資材の搬入から。

トラックが通行できる通路からお客様のご要望は様々。幸い今回は現場の目の前まで、運び込むことができました。

もし仮に通行できないような場所であれば、どのように資材を搬入するかから構築しないといけません。

 

工期は本日よりちょうど1週間。工事後のスケジュールもまたお客様によって様々。もちろんお引き渡し後はすぐ稼働することのできるよう、スケジュールは現場を拝見し、綿密に調整していきます。

 

お客様の機材を丁寧に脇によけ、まずは既存の配管などの配置から調整していきます。

単に配管と言っても規格や状況は現場によって大きく異なります。このため、現場入りして直に触れることにより判明するものの存在はどうしても避けられません。

 

しかし先ほど述べた通り、工期は厳守。お客様がお待ちである以上、これに遅れることは許されない。

現場の状況をしっかりと把握し、それに対して的確な対応を行う。豊富な現場経験をもとに迅速に対応していきます。

 

また後続の育成にも努めている私たち。そんな現場では正直、時折厳しい声も飛び交います。

日本の建築は曲線が美しい欧州のものと異なり、直角により構成された1mm単位の世界。仮に2mmずつでもずれるようなら、全体としては4mmものズレが生じてしまいます。

そのズレは建物全体に影響を与える。中でも今回は食品を扱うクリーンルーム。わずかなズレも許されないのです。

 

当初としてはベースとなる幅木の設置までを予定していた本日の作業。

幸いなことに作業が捗り、前倒しで外壁パネルの設置まで執り行うことができました。このように現場は作業状況にあわせて刻一刻と変化します。

 

この変化を悪い方向にいかないよう調整するのも現場の務め。様々な企業さんに業務を委託するとこの調整がどうしても難しくなってしまいます。

「渋滞で遅れる」といったレベルから「内容を聞いてなかった」というレベルまで。

現場の変化は工事の常です。

 

全ての業務を一貫して現場対応する。今回の現場は私たちの強みを出せたのではないかなと思います。

完成は一週間後の16日。万全な状態でお届けできるよう引き続き、作業の方、頑張りたいと思います。