2018.02.07
皆さんこんにちは。
今回は「プレハブ冷蔵庫の組み立て方」について、ノウハウをシェアいたします。
1、墨出し
最初に墨出しの作業を行います。
墨出しでは「どこを基準に」「どのように建てるのか」が非常に重要です。現場担当者やお客様と入念なすり合わせを行います。
この画像では、以前あったプレハブの場所にそのまま新しく設置するため、墨出しを省いています
2、レベル(水平)出し
墨出しで位置が決まったら、次にレベル(水平)を出します。
当社では、画像のようにレーザーレベルを使って高さを測り、一番高いところ(メモリの数が小さいところ)に基準を合わせます。
高さを測る棒をまっすぐに立て、誤差がでないようにするのが計測します。
低いところにはライナーという樹脂製の敷物を入れます。ライナーはどのメーカーのプレハブ冷蔵庫にも標準で付いてくる付属品です。
当社では樹脂ベースとライナーの接触部分にコーキングを打ち、絶対にずれないようにしています。
レベル(水平)出しの工程はとても重要です。樹脂ベースが斜めになっていると、プレハブも斜めになってしまいますし、真ん中が沈んでいたら、プレハブも真ん中だけが沈んでしまいます。
レーザーレベルが無い場合、レンタルをお勧めいたします。水平器を使う方法もありますが、ミリ単位での調整ができないためプロの方にはお勧めできません。
3、パネル組み立て
3-①床パネル
レベル出しが終わったら、床のパネルから組み立てをはじめます。
冷蔵庫の場合、床パネルには必ず排水管を取り付けるため、お客様の使い勝手等を十分考慮し、排水の取り出し位置について事前に認識合わせを行います。
床パネル以降は、「コーナーパネルサイドパネル扉の枠」、そして最後に「コーナーパネル天井パネル」という順番で進めると、簡単に組み立てることができます。
(床パネルの画像)
3-②サイドパネル
サイドパネルの上の溝に、かすがい(パネルとパネルをつなぎとめる幅広い釘)を打ち込みます。
かすがいの詳しい説明はこちらこちらwikipedia をご覧ください。
かすがいを綺麗に打ち込むことにより、パネルの目地がピタッと合います。
弊社ではこのような、金づちに細長い棒を溶接した器具を使っています。
このような器具が無くても、マイナスドライバーや細長い棒を使って打ち付けると簡単です。
3-③天井パネル
天井パネルには「フック式」と「コーチボルト式」があります。建物の天井との隙間がない場合はフック式になります。フック式の取り付けには六角レンチが必要です。また、コーチボルト式の場合は、電動ドライバーがあると便利です。
(画像)
4、ユニットクーラー(室内機)の取り付け
次にユニットクーラーの取り付けです。まず、天井パネルの墨出しをして穴あけをし、ボルトをさしておきます(ボルトの穴をあけるにはドリルが必要です)。弊社では機種によって予め型紙を作り、現場での作業時間を短縮できるようにしています。
(画像)
天井はこんな感じです。あいている穴には冷媒配管と電線が通ります(この穴あけにはホルソーが必要です)。
(画像)
ユニットクーラーを取り付けたところです。
ようやく冷蔵庫らしくなってきました。
5、室外機の設置
室外機は必要に応じてクーラーキャッチャーやスライドブロック・縁石・プラロックなどの架台を使用します。
6、冷媒配管工事
冷媒配管のつなぎ込みを行います(フレア工具が必要です)。
配管距離が長い場合は、溶接機・エキスパンダー(冷媒配管を膨らませる道具)・ベンダー(配管の曲げ器)が必要となります。
仕上げはコーテープもしくはラッキング・スリムダクトなどを使用します。
7、排水管工事
ユニットクーラーのドレン排水管工事を行います(エスロンのりとVP管カッターが必要です)。防虫・防臭のため、排水トラップもしくはエアカットバルブを取り付けます。
8、電気配線工事
電気配線のつなぎこみ作業を行います。
(画像入)
コントローラーとコントロールボックス(制御盤)を取り付けます。
庫内灯とスイッチを取り付けます(ドリル、圧着ペンチと圧着端子が必要です)。
9、仕上げ
必要に応じて棚やエレクターなどを設置すると使い勝手がよくなります。
ドアと、ドアのラッチを取り付けます(ドリルが必要です)。
冷蔵庫内の、床排水が流れる穴は取り外しが可能な排水キャップをし、それ以外の穴は塞ぎます。
(画像入)
目地のコーキング(シリコン)打ちを行います。
コーキングを打ってからすぐに冷蔵庫内を冷やしこむと、急激な温度差で目地割れを起こすため、コーキング打ちはできる限り早く行い、固まるまで十分な時間を置くことをおすすめします。
ちなみに冷凍庫(-20℃の温度帯)の場合、コーキングを打った当日に試運転を行うと、ほぼ100%割れてしまいます。
(画像入)
冷蔵庫内に縞板を敷いたら設置完了です。
10、試運転
電源(ブレーカー)をONにします。
まずは電流の逆相などなっていないか、冷却ファンの回転も確認します。
温度設定どおりに温度が下がるか、霜取りの動作確認と霜取り時のヒーターを確認します。
霜取り後の冷却機の復帰を確認したら工事完了です。