2020.10.01
佐賀県佐賀市嘉瀬町の九州食品さん。
今回はこちらに築造型冷凍冷蔵倉庫の設備改修の為、お伺いさせていただきました。
築造型冷凍冷蔵倉庫とは内壁に20cm近い厚さのウレタンを敷き詰め、断熱処理を施した倉庫に冷凍・冷蔵施設を導入したものです。
現在の冷蔵倉庫は私たちが取扱うプレハブ冷蔵庫が多いですが、プレハブのコストがまだ高かった当時はこちらが多く建築されていました。
昔ながらの漁協さんなどに多い印象です。
40年以上経過する現在も稼働するものも多く、年季の入った外観のそれは現在進行形でお客様の倉庫事情を支え続けている大切な施設でもあります。
今回はそんな大切な施設の改修に伺わせていただきました。
今回の工事内容は築造型冷凍冷蔵倉庫の入り口改修工事です。
これまでの入り口は少し小さく、段ボールを一つずつしか内部に入れることができませんでした。
やはりこれでは作業効率に難がある。現場の担当者さんにとって作業効率は死活問題です。
今回はより効率的に作業を行えるよう、倉庫入り口を大きくする改修工事をさせていただきました。
こちらがご要望に応じて特注にてご準備させていただいた扉です。
より効率的に作業を行うことができるよう設計を行い、こちらに合わせて入り口部分を拡張、取り付け作業を行っていく形になります。
このように文字におこすと簡単な作業に見えますが、これが中々難しい。
しっかりと実施できる事業者さんは実はそう多くはないと思います。
このような特殊工事は一から設計を行わないとできないもの、つまり取扱説明書がない状態でのスタートになります。
今回のものは昔ながらの築造冷凍冷蔵倉庫への理解、適切な資材特注、設計の知識とそれを実施する職人の腕。
総合的な知識・技術が求められるものです。
特に他事業者が古くに設計したものは内部構造がどのようになっているか読みにくい。
難易度の高さから着手されない事業者さんも少なくないと思います。
現に今回の工事は普段ご利用されている事業者さんでは対応できなかったようです。
このように対応が難しい特殊工事はお客様とのお付き合い最初の一歩となりうる、弊社の腕の見せどころ、特に大切にしていきたいものの一つです。
お客様とより良い関係を築いていくことができるよう、一生懸命対応させていただいております。
3.工事の様子
まずは扉を取り外し、入り口を広げていく作業から。バールなどを用い、内部の構造を確認しながら少しずつ拡張していきます。
お客様の大切な資材であるということはもちろんのこと、わずかなズレは冷却機能に大きなマイナスを与えてしまうため、慎重に作業を行っていきます。
取り外した資材は安全確認したのち、釘一本までしっかり管理。
工事現場は作業完了の後は当然、お客様並びにお客様のお取引様がご利用される場所になります。
お客様にご迷惑をおかけすることは万に一つでもないように「安全第一」で作業を行います。
こちらが入り口部の断面。
このような内部構造はいざ蓋を開けてみないとわからないことが多々あります。
蓋を開けてみて「対応できません」では話にならない。
まさに職人の腕が問われる瞬間です。
この性質上、残念ながら着手されない事業者さんが多いのも事実。
これまでの現場経験と照らし合わせ一つひとつ解決してきます。
また、冷凍冷蔵倉庫内の工事は冷凍設備を稼働させたまま超低温下で行うことも多いです。
今回の現場温度は-20℃。
薄明りの下で行う作業も多い為、体力・集中力共にどうしても大きく消耗する工事となります。
前日より体調を整えるというのは当然のこと、当日は集中力を欠くことが無いよう、適度な休憩をもって行います。
設計通りに拡張させた後は扉をはめ、内部より隙間が無いよう、断熱処理を行い今回の工事は終了。
私たちが主に活動させていただいている、福岡・佐賀、所謂「地方」では人材採用が厳しくなっており、その分作業効率を向上させるために設備投資に踏み込む企業さんが増えてきているように思えます。
しかし、古い設備をしっかりと改修できる企業さんは決して多くない。
そのようなジレンマに陥ってしまうことも少なくないようです。
もし現在進行形でお困りのことありましたら、ご気軽にご相談いただければと思います。
福岡・佐賀からそのようなお声が無くなることを夢見て今後も頑張っていきたいです。