設備導入価格を抑える為には業者の「提案力」を見極める

2020.10.08

新たに設備を導入される際や既存の機材を取り換える際、やはり気になるのはそのコスト面だと思います。様々な業者に見積もりを出してみても、専門的なことでよくわからない、とりあえず安いとこにお願いするのも何となく不安だ。
これら導入に係る費用は業者の技術、そして何より「提案力」により大きく差が出てきます。今回は特に気になる価格に関するお話です。

業者の「提案力」と導入価格

導入価格を左右するのは基本的に①資材の仕入れと②設備の配置ならびに導入機材に対する業者の提案力の2点となります。

①資材の仕入れ


私たちは工事内容に基づき、必要な資材を各メーカーに発注し工事を行います。例えばクリーンルームにおいては外壁を構成する「パネル」、空間を一定の温度に保つための「空調設備」、空調設備をつなぐ「冷媒管」、電気系統を作動させるための「配電装置」……。
どんな小さな設備もここに列挙しきれないほど、様々な資材で構成されています。この資材の仕入れは業者が各メーカーと特約を組んでいれば安く抑えることが可能です。


しかし、導入検討されている設備の工事を多く手掛けられている業者はこの特約を組んでいることが多いです。このため、導入価格を左右する要素ではありますが、業者間において差がでにくい点でもあります。
特約を組んでいない業者に頼むと導入コストが上がってしまう可能性があるくらいの認識で良いかもしれません。このため、導入コストを大きく左右するのは②業者の提案力になります。

②業者の提案力

導入コストに大きく関わるのが、こちらの「提案力」。お客様の要望、意向を適切に把握し、コスト面・耐久性・機能性の面で適切なものをご提案することができるか否かが費用に大きく反映されていきます。
例えばプレハブ冷凍庫を導入する場合を見てみましょう。ここで必要になるのが適切な「カロリー計算」。これは導入機材がどの程度を冷やす能力を有するかを示すものです。


単に凍らせると言っても「既に冷凍してあるものを保管する」のと「常温のものを凍らせる」のでは必要な能力が大きく異なります。前者が小で、後者が大です。ここで問題は「大は小を兼ねる」という意識の下、過剰な機材を導入しがちということです。
当然、大きな機材の導入は初期コストがかさみますし、さらには稼働させるための維持費もより大きくなってしまいます。また過剰な冷却力は結露問題にもつながってきます。必ずしも「大は小を兼ねる」のではないのです。
このように、お客様から適切に用途・意向をしっかりと聞きだし、適切な規模の機材をご提案する能力が設備の導入コスト、さらにはその後の運用コストにまで直結してきます。


こちらの記事にて詳しく解説させていただいていますが、私たちは空調設備に特約を組んでいる日立さんのものを導入させていただいております。
日立さんの利点は室外機がコンパクトなため、場所を選ばず設置ができるということです。場所を選ばないということは導入の際に重機を導入しなくてよいということでもあります。室外機が大きいメーカーさんのものは室外機設置の為の工事、ないし重機の導入が必要なこともあり、数十万~都心では百万円近く費用が変わることがあるのです。

 

「設計」から「現場」まで 一貫性がもたらす提案力

ウレタン素材

この「提案力」は私たちが自信をもっているものの一つです。私たちは設計から施工まで一貫して手掛けさせていただく専門店。豊富な現場経験を活かし、適切な提案をできるよう常に心がけています。
高齢化による職人の引退の影響もあり、「現場」と「設計」の分業が進む当業界ではありますが、やはり現場は教科書通りにはいかないもの。図面通りにいかないことは現場の常であり、これを修正するのもやはり現場の仕事になります。
お客様と直に接して、ご意向に沿った「絵に描いた餅」ではないものを提案する。私たちが大切にしているものの一つです。

導入コストを下げる為に準備すべきこと

このように設備導入コストは業者側の提案力に左右される側面があります。このため導入を相談される際はご希望を可能な限りお伝えください。どのような設備を導入したいか事前に想像することが結果としてコスト減につながります。
ご希望を把握できなければ、どうしてもミスマッチが発生する可能性があります。何度も経験することのない設備導入、不明な点も多々あると思いますので、ご相談の際はご気軽にお問合せください。「設計」から「現場」まで責任をもってご対応させていただきます。