「準備」の大切さと日本の建築文化

2021.02.09

「仕事は準備が大切」

 

あらゆる業界にて耳にするこの言葉。

もちろん私たちの業界についても同様です。

 

 

正直、日の目を浴びることの少ない「準備編」

しかし、

準備はスムーズな仕事の8割を占めるといっても過言ではない本当に大切な工程なのです。

今回はそんな私たちの「準備」の裏側をご紹介したいと思います。

 

こちらは私たちの社内 資材・工具置き場の様子です。

工事に使用する材料や工具というものは実は何百種類も存在しています。

 

 

これらは日々増え続けており、私が携わりだした15年前から倍以上の数にまでなりました。

一般の方からすると同じように見えるかもしれない、これら工具は材質・大きさ・形状などがそれぞれ異なり、それに伴い一つひとつ用途が異なるものとなります。

 

 

ネジ一本とってみても、現場でいざ締めようとしたら

・長すぎて飛び出た

・形状が異なり余計なでっぱりができてしまった

・大きすぎて入らなかった

など様々なトラブルが想定されます。

 

 

 

ネジ一本足りなくても工程に大きな支障が出ることがある。

特に私たちは工場が稼働していない休日に出動することも多く、特注品を取り扱うことがほとんどです。

 

 

平日だったら急遽資材をお届けいただける材料屋さんも休みであることが多く、備品不足は致命的な工程遅れに繋がりかねません。

このような性質からお客様をお待たせすることがないよう準備時、工事前日、当日朝と3重のチェックをもって私たちは工事に臨んでいます。

 

 

 

適切な準備を行うため、資材を運ぶ社用車の改造も入念に。

車内スペースを最大限活用できるよう、上部にレールをひき、通常下に配置することが多い、脚立は上に。

工具はスムーズに取り出せるよう、床に板を取り付けました。

 

 

この他にもこだわりの改造内容が多々あります。

車の改造については知りたいという声をよくお聞きするので、また別の記事にて解説できればと思います。

 

こちらは準備に携わる社員の様子です。

私たちの会社ではベトナムの実習生も受け入れています。

日本の技術を故郷で役立たせることのできる人材を育成したい、そしていずれは海外に目をむけたお仕事をできるような企業になりたい。

私たちの想いの一つです。

 

社員の様子

言語・食事が異なるように日本とベトナムでは建築文化も異なります。

それに伴い準備内容も大きく異なるようです。

 

文化の違いに戸惑いながらも、彼らは日々、新しいものを吸収し、成長しています。

旅立ちの日が楽しみです。

 

 

 

化粧カバー

日本の建築文化の違いで一番大きなものといえばおそらく美的意識でしょう。

垂直・水平・直角にこだわる日本の建築。

「見た目も美しく」というのが日本式建築で重視されるものの一つです。

 

 

写真は会社の裏にある室外機です。

室内から続いてる配管には上から化粧カバーが施されています。

日本では当たり前の光景かもしれませんが、これは日本らしさを示しているものの一つ。

 

 

実はこの化粧カバー、なくても機能的には問題ありません。

写真にある化粧カバーが施されていない先端部分のように配管の見た目がボロくなっていくだけです。

当然問題なく機能します。

ベトナムではこのため化粧カバーを施す場面があまりないとか。

 

 

配管も用意したものが長すぎた場合は適切な長さへ調整した後に設置するのではなく、余剰部分をグルグル巻きにして設置するなど、機能面を満たしていればOKという風潮があるみたいです。

(もちろん日本でそんなことしたら怒られます!)

 

溶接

そんな彼が今回準備しているのは次の現場で使用する、室外機を設置する台座です。

溶接で足を取り付けた後、水中硬化ボンドで溶接箇所を化粧していきます。

 

水中硬化ボンド

おそらく彼の故郷では補強した時点で準備完了かもしれませんが、それで終わらせないのが日本の建築文化。

ボンドは白色で台座は銀色。同じ色のスプレーでしっかりと塗装まで行います。

 

 

機能面はもちろんのこと、見た目も美しく!

準備不足は焦りも産み、安全を脅かす要因にもなりかねません。

現場での動きを支えているのは他でもない事前の準備。これを肝に銘じてこれからも事前準備には細心の注意を払って取り組んでいきます!